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最高裁判所第二小法廷 昭和26年(オ)400号 判決 1953年10月02日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人弁護士木村秀太郎の上告理由について

原判決の確定した事実によると上告人は昭和二四年二月二六日松山市主催の博覧会の見物人を相手に飲食店業を営む目的で被上告人から同会場附近にある同人所有の松山市西一万町四八番地所在の宅地約二〇坪を右博覧会の開催期間たる同年三月二〇日から同年五月二〇日までの間の期限付で賃借し、その賃料として四万円を被上告人に交付したというのである。そして右賃貸借契約は博覧会の見物人を相手に飲食店を営むことを目的とするものでその期間は博覧会の開催中の二ケ月の短期間に過ぎないものであるから全く一時使用のための賃貸借であつて右のような賃貸借についてはその当時においても地代家賃統制令はその適用がないものと解するを妥当とする。然らば原判決が本件につき地代家賃統制令の適用がないと解釈したことは正当であり論旨は理由がない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条により主文のとおり判決する。

この判決は全裁判官一致の意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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